研究テーマ

海底面からのCO₂漏出検出

海底面からのCO₂漏出監視・調査のアプローチ

海底面からのCO2漏出監視・調査のアプローチの流れの図
海底面からのCO2漏出監視・調査のアプローチのイメージ図

漏えいと漏出の違いとは?​

漏えい:貯留したCO₂が貯留区域から区域外へ移動すること
漏出:貯留したCO₂が地中から海洋や大気中へ移動すること

サイドスキャンソナー(SSS)によるCO₂気泡の探査

実際に海底からCO₂気泡を放出してSSSで検出する実験を行い、どの程度の放出率のCO₂気泡を検出できるか明らかにした

特徴
  • SSS(音響機器)により海底から出てきたCO₂気泡の検出が可能
  • 面的にCO₂気泡漏出の探査が可能​
  • 数十メートルの幅に存在する気泡群(プルーム)を検出可能
  • 肉眼では確認しづらい1mm程度のごく微小な気泡も検出​

SSSとは?​

SSSは海中で左右下方向に音波を発振し、両舷数十mからの反射波を受信し、画像化(音響画像図)する装置である。これを曳航することで、CO₂漏出を面的に探査することができる。SSSから海底までの距離(曳航高度)を半径とする円内(断面図の円内)に存在する気泡群を検出可能です。

SSSで捉えられる気泡とは?​

CO₂気泡は海水に溶けやすく海底から出た後、急速に溶解し小さくなるため、 SSSが捉える気泡群のほとんどは、1mm程度以下のごく微小な気泡からなる。この微小気泡は窒素や酸素から成る(図参照)。

海底から放出されたCO2気泡が海中で窒素や酸素に置き換わり、微小な気泡群(プルーム)を形成する過程を示す模式図

サイドスキャンソーナー(SSS)による海中探査の仕組み。上段に船で曳航する俯瞰図、中段に音波の照射範囲を示す断面図、下段に実際の音響画像図を並べた構成

海底面からのCO₂漏出検出(サイドスキャンソナー(SSS)によるCO₂気泡の探査

海水中CO₂濃度指標(pCO₂, pH)でも漏出の検出は可能か?

SSSによる気泡探査​ CO₂濃度定点観測​
範囲 面的な探査(数十m×曳航距離)ができる​ 観測点での異常の有無のみしかわからない​
精度 小規模な漏出でも検出できる(約4トン/年以上)​ 観測点のごく近傍で発生した漏出でない限り、大規模漏出(数万トン/年以上)以外は検出が難しい

生物への影響は調査しているのか?​

  • CO₂漏出時の生物影響を評価できるように、CO₂濃度・暴露時間と生物影響の関係をまとめたデータベースを構築​
  • シミュレーション結果によると、漏出したCO₂は海の流れや対流で希釈されるため、生物の影響は漏出点の近傍に限られる
  • 一方、気候変動による水産生物への影響では、水温上昇の影響がすでに顕在化してきており(水産庁のホームページ)、今後も影響が拡大することが懸念されている